Radiation therapy
放射線治療はがん治療の3大標準治療法(手術療法・化学療法)の1つです。
病巣に対して放射線(X線・電子線)を照射して治療します。
大きな特徴として、がんを切らずに治すことで臓器の機能や形態を温存することが期待できます。
局所治療であるため全身への影響は少なく、手術療法や化学療法と組み合わせて行こともあります。
当科では担当診療科との連携を重視し、院内合同カンファレンスを定期的に行っており最適な治療方針を決定しています。通院で行うか入院で行うかは担当診療科との相談になります。
目的
がんの根治から症状の緩和まで、幅広い役割を担っています。
照射分割法
照射とは、放射線を体にあてることです。
1日1回、月曜日から金曜日までの土・日・祝日を除く毎日照射します。
1回の治療時間は1か所につき約10-15分です。
1回線量・照射回数・総線量・照射範囲はがんの種類や進行状況により異なります。
放射線治療は所定の回数の治療を終えてはじめて一定の効果がでるものです。
治療中に長期間中断したり、中止したり、所定の回数を照射できない場合には効果が全く得られないこともあります。また、同じ範囲に照射できる総線量には上限があるため、再照射は困難となることが多いです。
放射線治療の種類
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根治照射:がんの根治・治癒を目的とする照射
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緩和照射:がんによって引き起こされる症状や苦痛を緩和させるために照射
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予防照射:手術療法などによって制御されたがんの再発転移を予防するための照射
当院で扱っている放射線
副作用
放射線を照射した範囲内にのみ生じてきます。
放射線治療は腫瘍細胞だけでなく、正常細胞にもある程度のダメージを与えるため、照射範囲に下記のような副作用が生じる可能性があります。
近年の放射線照射技術の進歩により、出来る限り副作用を少なくし、治療効果を高めることが可能となってきていますが、副作用を完全に無くすことは出来ません。
副作用の起こりやすさや程度には個人差もあります。
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急性反応
放射線治療期間中に生じてきます。
発現時期・重症度・持続期間は組織によって異なります。
重度になれば放射線治療をお休みする場合もありますが、放射線治療終了後や休止中に徐々に改善することがほとんどです。
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晩期反応
放射線治療が終了して急性期副作用が軽快し、数か月経った頃に生じてきます。
晩期反応が問題とならないように治療計画を行っており、発現自体は非常に稀ですが、病態によっては避けられない可能性があります。起こってしまうと基本的には改善しません。